*天使の歌*





  ひとつの歌が 聞こえる



  堕ちた天使の泣き声



  飛べない翼 ただ抱きしめて



  歌声は水平線を渡る









  光の差し込む楽園


  肌に感じる風のささやき


  水は風に戯れ遊ぶ


  空は優しく笑っていた





  天使は夢を見ていた


  祖母が語った光の生まれる場所


  この世界のどこか遠くに


  それはあるのだと








  憧れは募って



  天使は楽園を去った










  ひとつの歌が 聞こえる



  堕ちた天使が泣いてる



  落とした羽 舞い上がり
 


  風と共に水平線を越える










  光があふれる世界


  潮風の薫りただよい


  光る水面おだやかに


  碧い空はどこまでも蒼く





  天使は思い込んでいた


  この広く青い空を越えたら


  光の生まれる場所が


  必ず あるのだと








  水平線目指して



  天使ははばたいた










  ひとつの歌が 聞こえる



  堕ちた天使がこぼした



  小さなしずく 波のあいだに



  輝いて水平線に混じる










  果てのない青だけの世界


  気ままに流れる風の唄


  潮は月に恋をして


  空は雲と散歩をしていた





  青の狭間を天使は進んだ


  胸にはひとつの期待があった


  光の生まれる場所にたどりついたら


  祖母の優しいぬくもりもあると








  けれど終わりはなく



  ただ遠くに水平線はあった












  永遠を天使は翔けていた



  碧と蒼にはさまれて



  風に背中を押されながら



  終わりのない世界を翔けていた





  やがて天使は気づいた








  光の生まれる場所にたどりつけないことを








  求めていた優しいぬくもりは



  とても遠くに去っていった



  優しい祖母の笑顔は
  


  空の向こうへ消えていった










  飛べなくなった天使は海へ堕ちていった










  ひとつの歌が 聞こえる



  堕ちた天使が求めた



  大きな優しさとぬくもり



  夢にみて 眠りにつく















  ひとつの歌が 途絶えた





  歌声は潮騒に消える










*   *   *

秋星様宅の5000hitフリー詩を頂いて参りました!

もう、いつも何時も素敵な詩を読ませて頂いております。
綺麗な言葉の一つ一つが集合して、更なる魅力を醸し出しておられて…。
とても、胸打たれます。

それでは秋星様、5000hitおめでとう御座いました!
これからも陰でこっそり応援しております。

秋星様のサイト(*蒼い四葉*)へはリンクページからどうぞ。






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