※あまりにもアレだったのでコトノハに収録したものの再録です。
You better watch out
You better not cry
Better
not pout
I'm telling you why
Santa Claus is coming to
town!
+幸せ宅配便―あの子の一番欲しいモノ+
今年もクリスマスがやってくる。サンタクロースがやってくる。
……仕事が沢山、やってくる。
「だぁぁクソッ!何でこう今頃になって仕事が雪崩れ込んでくるんだ!配達予定組み直せってかそうなのか!?」
「まーあまあクールダウンですよしょちょ〜。心が荒れるとお肌も荒れちゃうんですからー…とわっ!?」
先輩が慌てて飛び退いたその背後の壁には、赤いボールペンが3.5cm程突き刺さっていた。
普段なら3.2cm、山積みの仕事の前なら3.5cm。お約束である。
そしてそのボールペン、さっきまで先輩の眉間があったところを寸分違わず狙っていた模様。投げる方も凄いけど避ける方も余程のもの。
「無駄口叩いてる暇があったらチャキチャキ働けっ!!お前らも完徹残業したいのか?」
「それはカンベンして下さいー」
しょちょーと二人っきりならオールナイトもだ〜い歓迎ですけどー、と、そんな遣り取りを右から左に流して、俺は黙々と仕事を続けた。
サンタクロースがクリスマスに遅刻なんて洒落にならない。何としてでも終わらせないといけないのだ。
俺が入ったこの職場―俗に言う“サンタクロース屋”―には、人智を超えた存在が在る。
ピンヒールやボールペンをいとも間単に壁に突き刺すおっかない女性に異常な記憶力と鍵開け技術を持ったお調子者にーちゃんがそれ。
そんなこの事務所だが、デスクワークにおいては異常なまでに弱い。
普通の会社の事務なら3日で終わらせるような仕事でも、この2人にかかれば裕に1週間はかかる。
しかもとことん『おかしい』ときた。
この前なんか超巨大テディベアの予算が入っていないと所長に申し立ててみたら。
「ああ、必要ない。アレに捕獲させる」
と、先輩を指差して一言。
勿論止めた。クリスマスの朝起きて隣に熊の遺骸が寝ていたら酷いトラウマになる。
きっとその子は一生クリスマスを嫌い、サンタを憎み生きていくだろう。
そして一番性質が悪いのはが、これが冗談ではないということだ。
俺が止めなかったら所長は何処かの山に先輩を派遣し、先輩は冬眠中の熊を引っ獲らえて意気揚々と帰ってきただろう。
そういう人間なのだ、この人達は。
と、いうことで。
必然的に俺が大半の事務仕事を片付けなければいけない訳で。
「なーあー、この紙どーぅ思うよー」
こんな熊獲りにーちゃんと古臭い紙に構っている暇は無いのだ。
「なーあー、なあなあなあなあなーあー」
暇は……。
「ねーえねえねえねえねえねえねえってばー」
「だぁぁもう何なんですか紙ですか俺に紙についての考察を求めてるんですかはいそうですね古い紙に見えますっ!」
「あうあーそうじゃなくってぇ……泣いちゃうよ?」
無視。
「うーごめんってごめんって冗談だよー。紙じゃなくて文字ー。これどう思う?」
渋々紙を受け取り、今度はじっくりと紙を見つめる。
古くなり消えかけてはいるが、鉛筆で何かが書かれている。
「えーっと……G、I、V、ヨ?ああ、多分Eでしょうね……ギヴ…M、ヨ、ミイ」
「うんうん」
「ギヴ、ミイ、ア……C…ん?C、H…R、A……?何だこれ?」
「なー読めないっしょー?薄くなって消えちゃったみたいなんだよなー。まいったね」
「ええ、困りました……にしても先輩、こんなの何処から引っ張り出してきたんですか?」
「んー…紛れ込んでた。あの袋に」
そう言って先輩が指差したのは、子供のお手紙回収袋…ではなく、配達用のプレゼント入れだった。
何でよりにもよってそんなところに手紙が入っていたんだろうか。
そもそもこの支部が出来たのが4年前、そう、俺が入社する前年なのだ。何十年も前に書かれたであろうモノが存在するはずがない。
普通に考えて何もがおかしい。や、そもそもこの場所に常識は通用しないのか?
と、俺と先輩が首を傾げていると、何処からともなく凄まじい殺気が流れてきた。
あまりにも恐ろしいソレに、俺達は二人して一瞬硬直し、それからゆっくりと首を回す。
まるで油の切れたロボットのような奇っ怪な動作だったが、笑う者は誰もいなかった。
といっても理由はその場に俺と先輩と殺気を放つ張本人しかいなかったからだが、仮令第三者が見ていたとしても、誰も笑う事など出来なかっただろう。
それ程、だったのだ。
「えへ」
先輩が引き攣った笑みを作る。
「あは」
俺もそれに倣っておくことにする。
「はははははははは」
所長は声を上げて笑った。でも目が全く笑っていない。
「えへ、えへへへ」
「あは、はははは」
「はははははははは」
場に珍妙な笑い声と空気が流れる。でも本人達(主に男性陣)は必死。
「はははははははは」
所長が笑いながら山積みの書類を俺の方へずずいっと押しやった。
「あははははははは」
俺も笑いながらそれを受け取る。心の中は土砂降りの大雨。
「はははははははは」
所長は笑いながら先輩に車のキーを押し付けた。
「え……えへ、へへへへ」
先輩の笑顔が一瞬激しく引き攣った、が、まさか所長に逆らえるはずがない。
先輩は引き攣ったままの笑顔でキーを受け取り、そして事務所を出て行った。後目でも分かるくらいに肩を落として。
嗚呼可哀想に。先輩は暖房が壊れて暖まらなくなった車で地獄の独り外回りだ。
必然的に事務所は俺と所長の二人っきりになる。
美人とオフィスで二人きりなんて何とも素晴らしいシチュエーションなのだが、何せ俺と所長の間には山積みの書類がどっかと存在している。
これさえなければ…と紙の山を恨みがましく見つめてみたものの、だからと言って減るはずもなく。
仕方が無いのでまた黙々と処理を始める。
同じようなことが書き連ねてある何百枚もの紙に目を通し、データ処理。
積み上げられた山をただただ崩してゆき、所長の顔が見えるようになるまでには結構な時間を要した。
と、ふと所長と目が合う。
「…………………………」
「…………………………」
特にお互い用もないからか、会話が弾むなんてこともなく、場に微妙な空気が流れる。
……いや、あるだろう。さっきから気になっていた事が。
「あのー……所長?」
「何だ?大した事じゃないならもうちょっと片付いてからにしろ」
ご立腹。どう考えても切り出せるような雰囲気ではなかった。
居た堪れなくなった俺は当社比3倍速で仕事を片付けるしかなかった。
人間、その気になれば案外やれるもんです。
書類が残り僅かになったところで、俺はもう一度所長に問い掛けた。
「所長、少しだけ意見を伺いたいんですが」
「……少しだけだな?」
「ええ、少しだけで結構です」
茶化す所長の目を見つめて真面目に言葉を返すと、仏頂面だった所長がにやりと笑った。
「何だ?えらく殊勝じゃないか」
「俺の勝手な頼みですから」
所長は相変わらずにやついている。
「所長、貴女と先輩はあの手紙について何を知っているんですか?」
所長の皮肉っぽい笑みに負けずにそう訊ねると、所長は表情を変えずに、その端正な唇を歪めて問い返してきた。
「んん?何でまたそんな質問を?」
「さっきのお二方の態度ですよ。明らかに不自然だったじゃないですか」
先輩は頷いてばかりで意見を述べようとしなかった。そんな先輩を所長は無理矢理外回りに出した。
「痛々しかったんでしょう?あの大根な先輩を見てるの」
「……ぷっ、あはははははは」
俺が此処にいない先輩のことをずけずけと言ったからか、それとも自分の行為の理由を俺に見抜かれたからか。
今度は心からであろう、所長が声を上げて笑い出した。
「ははは…はー。あいつの大根演技は兎も角私の出した助け舟まで裏目に出るとはね……まぁお前の事だからどうせ気付くだろうとは思ったが」
「それは買い被りすぎですよ。俺そんな敏感な奴じゃないですから」
「へーぇ。じゃあそういうことにしておいてやる」
所長はさっき以上にアイロニカルに笑うと、
「でも残念ながら私はお前が持っているその紙以上の情報は持っていない」
と。曰く、4年前のクリスマスの日に配達袋からぽろっと出てきたものの、まるで対応できずにそのまま放置していたらしい。
まぁ、名前も書いていない上に欲しいものも分からなければ仕方が無い、のだが。
「お前に見せたら何か閃くかと思っただけだ。他意はない」
「へぇ……他意は無くても隠したがるんですか」
分かっている。所長と先輩は俺を試そうとした。それだけの話だ。
「因みに所長はこの子が欲しいものの名前、分かったんですか?」
「いや、英単語は辞書程度なら全部覚えているが、CHで始まってRAを通る9文字の単語なんて思い浮かばなかった」
「そうですか……じゃあ所長、俺今日はもう帰りますね。書類もあとちょっとになったから別に大丈夫でしょう?」
「ああ、構わないが……そんなに気に喰わなかったか?」
「いえ。俺には所長みたいに英和辞書が頭に入っていませんからね。凡人なりにこつこつと辞書引いてきますよ」
にやり、と。所長に負けないくらいに笑えただろうか。
「たっだいまー!ただいまただいましょちょ〜!あり?坊ちゃんもう帰んのー?」
外回り帰りの癖にテンション超爆な先輩の横を通り過ぎ、俺は小さな紙切れを手に帰路についた。
+
辞書というものは学生しか使わない。特に俺みたいに英語が全く必要ない職場に就いたような奴は。
だからといって学生時代にもそんな使い込んだ記憶はないのだが。ああ、使ったか。授業中の枕代わりに。
そんな事を考えながら押入れを引っ繰り返してみてもやっぱり英和辞書は見つからない。
仕方が無いから腹ごしらえが先だとふらっと向かった冷蔵庫。そこに……
「な、何でこんな所に……」
微妙に傾いた冷蔵庫の左足元には、まさにお求めの英和辞書。
因みに右足元は和英辞書。だから微妙に高さが違ったのか……じゃなくて。
きっとこっちに引越したときに冷蔵庫の高さが微妙に合わなかったのが気に喰わなかったのだろう。
良い子は絶対に真似しないでね。サンタさんが来なくなっちゃうから。
3年前の自分を怨みつつ仕方が無いから英和辞書を引き抜くために冷蔵庫に足をかける。御免なさい家電製品。化けて出るのは止めてくれ。
「っち、にっの、さん!」
“ぐらっ”
「ぅわっ……とと」
英和辞書だけ抜き取ると、よくよく考えれば当たり前のことだが、冷蔵庫がぐらりと左に傾いた。
慌てて足で支えて(こんな時だけ冷蔵庫が小型でよかったと思う)、右側の和英辞書も抜き出すと、足元が急に下がった冷蔵庫がどすんと音を立てて着地した。
「っと……」
やっと目的のブツが手に入ったので、畳の上に座り込んで辞書を開く。
探す単語は『CH●●ORA●●』。
という事は、始めの二文字で探せばいいという訳だ。
えと、ch、ch……あった。うげ、こんなに沢山あるのかよ……。
まぁ、実際はchaでなければchbに、と見ていけばいいからそんなに手間はかかるまい。
と、思ったのが間違いだった。
多い。chが多い。
調べているうちにchから始まる単語を編み出したイングリッシュジェントルメーンに殺意さえ沸いてきてしまった。逆恨みも甚だしい。
しかしまぁ所長にああ言ってしまった手前「途中で飽きてもーたんですわー」なんて言えない。絶対に。
俺は躍起になってchを探す。
途中chloramphenicolという単語を見つけて有頂天になりかけたが、駄目だ、長すぎる。
そもそも何処の子供が抗生物質をサンタさんに頼むんだ。医者に行くだろ医者に。
アルファベットの見すぎで頭がおかしくなってしまったのか、遂には自分で自分に突っ込みを入れる始末。
と、クラクラになりながらも何とか辞書を見進めていく、と、いつの間にか項目がciにかわっていた。
……いや、駄目だろ。
見逃した、か。その可能性は無きにしも非ずだ。なんてったって久々に学生の敵と対峙したのだ。
もう一度始めから見るしかない。そう諦めかけてページを捲ったそのとき。
「あ……」
ふと、とある単語が俺の目に飛び込んできた。
確かに子供が欲しがるchの単語なのだが、奈何せんその綴りが…綴り、が……。
……いや、これでいい。これでいいんだ。
成る程これなら所長達が気付けないのも頷ける。あの超人的な記憶力を以ってした上に、あのコンピュータ並の性能では、始めから除外されてしまう。
今ならまだ所長も先輩も事務所にいるだろうか。俺が3倍速で書類を片付けてしまったから帰った可能性の方が高いだろう。
でも、俺には根拠のない確信があった。あの人たちはまだあの場所にいる。
諦め顔か、はたまた万が一で輝いた顔をして俺が帰ってくるのを待っている。
俺は脱いだまま足元に放置していたコートを羽織ると、紙と、そして辞書を抱え上げて部屋を飛び出す。
にしても重いな、コレ……俺こんなもん持ち運んでたんだ、昔は。
+
「た、只今戻りました……」
急いで戻ってきた事務所。そこには浅漬けを片手に優雅に珈琲を飲んでいる所長、と、どこから調達したのか白飯まで頬張っている先輩がいた。
やっぱり帰ってなかったのか。
「ハァ〜イ、ロメオ。どぉなのよ調子はァ」
「俺の中の彼女のイメージを崩さないで下さい。と、それは兎も角調子は上々最っ高のスキップ日和でしたよ」
俺はスキップ出来ないけど。
「へぇ…ということは」
「はい、見つかりましたよ。この子の一番欲しいモノ」
持ってきた英和辞書の、付箋をとアンダーラインを付けておいたページをがばっと開ける。と、同時に先輩と所長が紙面を覗き込む。
コンピュータ並の精度を以ってしたら、絶対に見つからないその単語。
「chocolate……って、チョコレート、か?」
「ええ、子供が大好きチョコレート。ギヴミーアチョコレートといえばギヴの用法説明で必ずと言って良い程登場する短文です」
俺も耳タコ。
「やー、確かに9文字でchから始まるけどー、でも奈何せん綴りが……あー!」
「ええ、だから所長も先輩も気付けなかったんでしょう?LがRになってたから」
だから二人の精密な辞書には引っ掛からなかった。
俺はというと紙の辞書なんていう今時アナログな手段に頼ったからこそこんな事に気付けたんだけど。
「あー、そういう事か。確かにEがヨになってたくらいだからそんなことも十分有り得るな……失念していた」
日本人にとっちゃLもRもどっちもラ行。しかもこの古い古い手紙はどう考えても反米時代に書かれたものだ。
そこまで気が回らなかった、否、回す知識もなかったのだろう。
戦前、もしくは戦後には鬼畜米英の言葉とされてきた言語。
その言語を以ってしてまででも必死に書いたであろう、異国の幸せ宅配人へのお願い。
その手紙は、50年越し、しかも同じ日本人にだけれど、確かにしっかりと届いた。
さて、次は……
「先輩、貴方の番です」
「…………何の話かな?かな?」
「可愛くとぼけても無駄ですよ。不自然な間が全てを物語っています」
「さっすが〜。手厳しいねー」
「俺は女性とふわふわさらさらの金髪さん以外に優しくする気はないですよ……さあ、吐いてください。この手紙の送り主を」
4年前、クリスマスの日に配達用袋から出てきた手紙。それ以上前には、この事務所は存在しなかった。
となると、答えは簡単だ。この手紙は4年前のクリスマスの日に袋に入れられた。それだけのこと。
そしてそれが出来るのは、その日にその袋を持っていた先輩だけ。
「あうー……わーった、わかりましたー俺の負けですぅ吐きます吐きますうげぇ」
「そっちはいいです」
「つ、冷たいっ!いいですよー話しますよーちゃんと最後まで聞いてね?」
手短に、と俺が言う前に何故か悦に入った先輩が語り出した。
「あれは俺のばあちゃんがまだ幼かった頃の話です」
ああ、既に脱線してしまっている。っていうか全く関係の無い話に聞こえるぞ。
「まーあまあまあ。大丈夫、本筋からは外れてないから。兎にも角にもその頃日本は大陸との戦いに敗れて酷く疲弊していた。
食べ物が無くて皆が飢えてた。勿論嗜好品なんて以ての外。闇市場にでも行かないと売ってはくれない。
だから子供は駐留している米兵に請うた。『ギヴミイアチョコレート』って、たったそれだけの外国語を覚えて。
でも実際に夢のお菓子が手に入るのは数少ない本当に運のいい子供達だけ。さあてこの話から読み取れる事は?」
「世の中そんなに甘くない。生き残れるのは一握り」
「はーい現実味はあっても夢のない答えをありがとー。まあその通りなんだけどねー。
そんなこんなできっとこの子はサンタさんへ望みを託したんじゃないかなー。終わり」
わーぱちぱちぱち。じゃないだろ。
「何一つ質問の答えになっていませんよ。俺が聞きたいのはそんな事じゃないって位十分理解してるでしょう?俺だって見当くらいついてます」
そろそろ貧乏揺すりが激しくなってきそうだ。
「はいそうです。多分お察しの通り浅漬けのおばあちゃん家にあったのを拾ったんです」
世間一般ではそれを泥棒という。
「やっぱりそうだと思……ええッ!?ミヨおばあさんの家から盗ってきたんですか!?」
「やぁだなぁ盗ってきただなんて人聞きの悪い。サンタさんがお手紙を回収するのは当たり前でしょーが」
お手紙を回収するのはサンタではないのだけれどまあそこは置いておこう。
「へぇ、あのおばあさんが……」
「……見当ついてたんじゃなかったのか?」
結構意外なところを突かれて感心していたら、所長が呆れたように口を挟んだ。
「いや、それは……えへ?」
お二方の大きな溜め息。
や、おれはてっきりハナおばあさんの方かなぁなんて思ってたりしたんだけど。
「……詰めが甘い」
「まーあーしょちょ〜。お手柄なんですからー」
「よし、じゃあ配達リストに一件追加しておけ」
「贈り物は?」
「…お前が取ってくるんだろう?カカオマス」
そんなこんなで、クリスマス数日前の手紙騒動は幕を閉じた。
「と、ちょっと待って下さい」
「ん〜?何かなー?」
「何全てが丸く収まったような顔してるんですか?」
「…………お、収まったじゃん」
「不自然な間」
「あうー……」
「……ねぇ、どうして俺を試そうなんて思ったんですか?」
「……何の話?」
「とぼけないで下さい…分かってたんでしょ、あんな簡単な答え」
「だってぇ……そうだったから」
「へ?」
「何かツマンナそうだったから」
「それは……俺が、ですか?」
「そうそう。何かさ、俺らと一線引いてる感じ?仲間外れオーラばしばしみたいな?」
「……………………」
「だからさー、ちょっと遊びたいなーと思って?えへ」
「……俺で、ですか?」
「やだなー。君と、だよ」
どうやらこの人達には何もかもお見通しらしい。全く……。
* * *
クリスマスに間に合わなかった上に変な方向に突っ走ってしまったクリスマス小説。
頭でっかち尻尾はぶち切れ。ゴミ箱アイコンな所以はそこにあったりなかったり。
ギャグとして笑って見逃してやって下さい。
因みに背景には特に意味はないです。始めチョコレートにして自分の大馬鹿に気付いて替えました。
背景でわざわざネタバレしてどうするんだ自分。
2006,12,28 コトノハ収録 2007,2,7 novelページに収容
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